だしのこと

だしと料理

ひと通り、だしの基本をご紹介してきたところで、実践編。身近な「かつお」「昆布」「煮干し」を使って、手軽に始められる料理のアイデアをご紹介。
一度だしの魅力にとらわれたら、食材との組み合わせは無限大。ぜひ、自分の舌に忠実に、いろいろな料理を自由に編み出してみてほしい。

和食のベース、かつおと昆布の「一番だし」。

かつおだしは、それ単体で使う料理がごく限られる。かつおの香りを楽しむ、そばつゆのかえしが代表的な例だろう。
一方、かつおと昆布の一番だしは、具体的には、だし巻き卵、茶碗蒸し、野菜の煮物、炊き込みごはんとにかく和食全般に使えると思っていい。特に野菜や豆類類がメインのみそ汁やお吸い物、おでん、鍋料理など、汁を味わう料理にはぜひ、ひと手間かけた一番だしを使い、汁ごと頂く美味しさを楽しんでみてもらえるといいと思う。
また、だしを取った後の昆布は細かく切って、から煎りしたかつお節と一緒に佃煮にすると、まるごと美味しく頂けるのでおすすめ。ほか、低温の油でかりっと揚げて、塩やスパイスをふると、いいおつまみにもなるのでお試しを。

昆布だしのがんばりは、すごい。

昆布ほど、どんな食材との相性も良いだしはない。
特におもしろいのは洋食との相性で、特に豚肉と相性がいい。例えば和製ポトフ。具材に根菜を合わせると、豚の力強い旨味、根菜の素朴な香り、そして昆布の奥深い滋味がバランスよく溶け合い、特別な調味料がなくても、ほんの少しの塩だけで十分美味しく頂ける。また、野菜のポタージュに昆布だしを使うのもおすすめ。水で引いた昆布だしに、野菜を入れてそのままぐつぐつ煮込み、撹拌するだけ。色みを気にしないのなら、昆布もまるごと撹拌すると、ほどよいとろみが付いてなお美味。
もちろん、和食の世界でも昆布の底力を発揮する料理は数々ある。例えば「昆布じめ」。新鮮な魚介類を昆布で包むシンプルな料理だが、昆布が食材の水分をほどよく逃し、さらに旨味を与えてくれる、とても理にかなった調理法だ。
そのほかにも、松前蒸しやかぶら蒸しなど…。素材にタンパク質が含まれる料理は、昆布だしを使うと味のバランスが取れることは覚えておくといいと思う。

パンチを出すなら、煮干しだし。

煮干しは一番だしと同じく、和食全般に使える万能だし。うまみがとても強いので、根菜や海藻、卵など、少し存在感のある食材と合わせるといいかもしれない。例えば筑前煮、ひじき、野菜の揚げ煮、たまごのみそ汁、など。特に旨味が凝縮された乾物、味噌との相性が良い。
だしを取った後の煮干しは、かき揚げの具にすると美味しい。また、トースターでカリっと焼き上げ、フライパンで甘辛く煮絡めると、美味しい一品が仕上がる。