だしのこと

そのほかのだし

だしになる食材いろいろ

(干し)しいたけ

干ししいたけは、だし、というよりも「戻し汁」という言い方がしっくりくる気がする。独特な風味は好き嫌いが分かれるかもしれないが、戻し汁は素麺のだしなどに使うと独特の香気があり、とても美味しい。また、きのこ類にはうまみ成分がたっぷり凝縮されているため、干したものはもちろん、生のままでも、十分その存在感を発揮してくれる。

干ししいたけの種類は、傘が肉厚でどっしりとした存在感のある「どんこ」、傘が薄くて手軽な「香信(こうしん)」が一般的。どんこは、しいたけの歯ごたえやきのこらしい形を残したい料理、例えば汁物や煮込み料理に向いている。一方、戻したしいたけを細かく切って、焼売や肉まんの種に入れるなどは、香信が使いやすい。

干ししいたけを戻す分量は、干ししいたけがかぶるくらい目安。お湯で戻すと旨味が損なわれてしまうため、必ず冷水に漬けて冷蔵庫に入れ、しいたけが柔らかくなるまでじっくり戻すこと。

(干し)貝柱、海老

中華料理ではよく使われるだし食材。特に北海道を中心とした国産の干し貝柱は、中国現地でもとても人気が高い高級品だそう。こちらもしいたけと同様、干物を戻して、具と汁を両方使うことが前提のだし、と言える。

干した貝柱や海老の戻し汁は、白身の淡白で上品な味わいが最大の持ち味。塩で味を整えるだけで上質な中華スープが出来上がるし、お粥や茶碗蒸しなどに使えば、ほかのだしにはない優しい滋味のある味わいに仕上がる。戻し方はしいたけと同じく、水でじっくり戻すこと。

そもそも貝類は「コハク酸」という貝類独特のうまみ成分が凝縮していて、生のままでもかなり濃厚なだしが出る食材だ。特に、春の貝は力が強く、だしを水で薄めて使ってちょうど良いくらいのインパクトがある。

(干し)野菜、海藻

和食でおなじみの、切り干し大根や、ひじき、わかめ。これらも、干すことで素材のうまみが凝縮され、独特な旨味が楽しめるだし食材。

また豆類も、美味しいだしが楽しめる。乾燥大豆や小豆の煮汁は、漢方の世界では煮汁のほうが貴重、と言われるほどの栄養の宝庫。また、油揚げや厚揚げなど、大豆の加工食品は、煮物や汁物にコクや旨味を加えてくれる。例えばみそ汁に油揚げが入っているだけで、ごちそう感が増すものだ。