日記

京丹後の畑での日々 その1

2015年10月01日 大黒谷寿恵

“きゅうり”

2年前に京丹後へ移住し就農した、知人の畑へお邪魔してきました。

広い広い畑の向こうには里山の初秋の風景。
思わず深呼吸を胸いっぱいにしたくなります。

きゅうり、おくら、茄子、ズッキーニ、ツルムラサキ、空芯菜、モロヘイヤ、落花生、枝豆など、収穫のお手伝い。
普段は感じない、野菜の野生的な姿に目を見張ります。

おくらは手が届かないほどにどんどん背を伸ばし、ズッキーニは細かい毛がびっしりと太い茎や葉に張り付いており、
茎の根元からニョキッと丸や黄色や縞模様の実がなっています。
植えた覚えのないきゅうりの品種が、昨年の種が散っていてひとりでに育って収穫できたり。
落花生は花が地面に落ちて地中に鞘ができ、枝豆はまさに枝に鞘がぶら下がっています。名前が形状を表していますね。

そして土からは、ご自宅から出た生ゴミや籾殻などを発酵させた手作り肥料のぼかしが撒かれ、酒粕のようないい香りが漂っています。
殿様カエルがたくさん足元を跳ね、落花生を掘り返せばミミズが至る所からうねうねと出てきます。
できるだけ自然な状態で栽培をされているので、雑草も生い茂り、カメムシやカタツムリ、バッタなど作物にとっての害虫も当然います。
けれど、雑草は土が熱くなり過ぎるのを防いでくれたり、害虫を食べてくれるカエルやてんとう虫などの益虫もやってきて捕食し、バランスをとってくれるのだそうです。
無理強いすることなく循環されているのですね。

わたしがそんなことを感じている横で、娘は収穫したものの味見に忙しい。
きゅうりを齧って、「甘いよー」という感想が印象的でした。
もぎたてのきゅうりの果汁は、娘にとって甘かったよう。
もう終わりという食用ほおずきやミニトマトも、驚くほど甘みが強く娘のいいおやつになりました。

普段は出来上がったものしか目にしない野菜も、改めて土、風、光、人の手によって作り上げられるのだなぁと感じ入りました。
そして、少しだけですが収穫をお手伝いし、土に触れ、生きている野菜に触れ、身体も心も浄化されたような気がしたのです。