日記

京丹後の畑での日々 その2

2015年10月06日

““料理””

京丹後にて数日お世話になっている間、収穫した野菜を調理するのが、私の役目でした。

自然栽培かつ採れたての野菜は、普段購入する野菜とは何かが違う。
これをずっと感じ続けていました。
美味しいという一言だけでは足らない。

野菜や果物の美味しさが、今は「甘い」の一方向推しになっている気がします。
甘い、だけじゃない美味しさを強く感じたのです。

それぞれのもつ強い香りや、水分量、きゅうりやズッキーニ、おくらのパキッとした歯応え・・・
うまく言えませんが、個性が際立っているというのでしょうか。

普段のように調理をしていると、美味しくするのに火の通り方や、調味料の量が少し違うのです。
なのでいつも以上に感覚を研ぎ澄ませて、どうしたらそれぞれの野菜の個性がより活きてくるのかを考えていました。
ちょっとした実験のように。

そういえば、持参した昆布と鰹節で出汁をひくにも、味の出方が全然違っていて驚きました。
水に対しての昆布や鰹節の量は同じなのに、京丹後の水がきっと関東とは質が違うのでしょう。
今までは出汁の材料のことばかり気にしていましたが、やはり大部分は水なのだから、その影響は大きいのだなと強く感じました。

写真の料理(というほどのものではありませんが)は、ジャンボピーナッツという普通のピーナッツの3倍くらい粒が大きいピーナッツです。
採れたての落花生をよく洗って、殻ごと濃いめの塩加減でゆっくり30〜40分かけて茹でます。
まだ殻も柔らかく、皮もベージュ色をしていて豆は白いのです。
茹で上がったら、大きいので半分に切ってらっきょうを刻んだものと、青柚子の果汁と皮を少し加えて和えただけの料理です。
母が実家で作ってくれていたものを思い出し、アレンジして作りました。
ほのかに塩味がする茹で落花生の香りにらっきょうがいいアクセントになって、さらに青柚子の酸味が双方の味を引き立ててくれます。
なんてことのない一品ですが、採れたての落花生が手に入る環境だからこそ出来る料理です。

滞在中、こうやって素材の味を確かめながら料理をすることが、難しくもあり面白くもあり、
一筋縄ではいかない個性ある野菜たちにたくさん触れられたのは、いい勉強になりました。
レシピというものがあまり意味をなさないというか、今この目の前の素材にただただ正直に向き合う。
野菜の個性を消さずに、美味しい一皿を作る。
久々に料理人としての感覚を呼び起こされた日々でありました。

ほぼ私の都合で同行させていた娘も、野菜がどうやって出来るのかを見知って、
食べ物を大切にする気持ちを少しでも育んでくれていたら嬉しい限りです。