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8月の終わり、八百屋の店頭で地元産の栗が並び始めた。秋の始まりを代表する、栗の季節がやって来た。

栗を見ると子供の頃、母親が皮付きのまま茹でて半分に切り、おやつ代わりに出してくれたことを思い出す。
茹で栗のホクホクとしていて、自然な甘さにあとを引いて、次から次へとスプーンでほじくって食べていたなぁ。
店頭に栗の姿を見るとその頃を思い出したり、
ちょっとワクワクするのは、芋栗南京・・・の女性ならではだろうか。
栗の季節はとても短い。
それもあって手間はかかるものの、店頭に姿を見つけるとついつい買い求めてしまう。
栗は皮に艶と光沢があって、全体に丸くふっくらとして、手に取るとずっしり重みを感じるものを選ぶといい。
そこからは梅仕事ならぬ、栗仕事。なかなか手間のかかる相手だ。
硬い鬼皮を剥いて、さらには渋皮も料理によっては剥かなければならない。
これが力も要り、骨が折れる作業だが、
剥き栗では風味が落ちるので皮付きの栗を必ず買うようにしている。
まずはやはり栗ごはんだろうか。
子供の頃はいわゆる塩味だけの、豆ごはんや栗ごはんがどこか味気なくて苦手だった。
それが歳のせいか、素材の自然な甘みをしみじみと感じるそういうごはんを好むようになってきた。
渋皮まで剥いた栗を濃いめの塩水に30分ほど漬けて、下味を付ける。
それを水から沸騰するまで火にかけてザルに取り、昆布出汁と酒、塩少々をいれた中でごはんと(もっちり感を出したい場合は2〜3割をもち米にする)一緒に炊く。
炊き上がったらその日は栗ごはんが、食卓の主役だ。
秋が来たなぁと食卓を囲む皆で、旬の風味を楽しみたい。
栗ごはん以外には、素揚げにしてシンプルに塩と胡椒で食べたり、
お芋に近いので鶏肉や豚肉と煮込んでも美味しい。
お正月用の栗きんとん用に、クチナシを入れて黄色く甘煮にしておくことも忘れない。
シロップごと瓶に詰めて冷凍保存しておく。
さらにはスィーツ用として、細心の注意をはらって渋皮煮を作ったり、
栗のこしあんのようなものも仕込んで冷凍保存する。
短い出回り期間に、来年までの栗の加工品をこしらえるのだ。
ついついあれもこれも・・・とどこか気忙しい気持ちになる。
それが締め切りに追われる仕事のように感じてしまうのかもしれない。
愛おしい種類の仕事だけれど。